目次
【1】ストックフォトとは?
デジカメが世の中に初めて登場した年月をご存じですか?
日本でデジカメが初めて発売されたのは、1986年(昭和61年)7月1日になります。その後のデジタルカメラの歴史の幕開けを飾ったのが「キャノン RC-701 」という機器です。
キャノンの公式サイトに写真と情報が掲載されていますので、写真をお借りして掲載させていただきました。

「キャノン RC-701 」の機能・仕様はキャノン公式HPをご参照ください。
https://global.canon/ja/c-museum/product/svc443.html
デジカメの性能を示す画素数でいうと、キャノン RC-701」は「38万画素」になります。
この「キャノン RC-701」ですが、当時の販売価格は、本体だけで39万円になり、レンズや付属品を含めると50万円を超える高価な代物になります。
一方、2023年8月現在、iPhoneの最上位機種である「iPhone14ProMax」に搭載されたメインカメラ画素数は、なんと4800万画素にもなるのです。画素数の比較では実に126倍もきれいな写真が撮れることになります。
ちなみに、私が今も撮影に使っているデジカメの1台であるキャノンEOS 6D(発売日:2012年11月30日)の画素数が約2020万画素なので、今のスマートフォンのカメラの性能の高さは馬鹿にならないのだと改めて認識させられます。
ここまでスマホカメラの性能が向上すると、デジカメとスマホカメラの違いは、望遠・ズームの機能があるかどうかぐらいですね。
さすがに、この部分はレンズの大きさ・性能に依存するので、コンパクトなスマホでは難しいと思いますが、それにしてもスマホだけでも素敵な写真を撮影することは十分可能だといえるでしょう。
【2】画素数って何のこと?
デジカメで撮影される写真は、画面上に無数に存在する「点」によって表現されています。
この「点」のことを「画素(ピクセル)」と呼びます。
この画素(ピクセル)が一定の範囲内にどれだけあるか、画素の総数のことを「画素数」といいます。
「一定の範囲内」とは、銀塩(ぎんえん)カメラ、すなわちフィルムカメラで例えると、フィルムに写し込まれる部分に当たります。
つまり、画像データは、小さな点(ピクセル)の集合で色を表現しており、画素数とはその点が幾つあるかを表しています。
この「点」が多ければ多いほど細かく色を表現することができるので、画素数が多いほど描画の細やかな写真を撮ることが可能になるんです。反対に、逆に画素数が少ないと写真をプリントした際に全体的にぼやけたものになってしまいます。
【3】デジカメの登場で大きく変わったこと
デジカメの登場で、写真を撮るという行為が大きく変わったことを特に実感しているのは、私も含めた昭和世代の人々だと思います。
前述したように、1986年(昭和61年)にデジカメが登場したからといっても、レンズも合わせると、約50万円もするような高価なデジカメが一般的に普及するようになるのには何年も後の話になります。
実際、私がサラリーマンだった前職(地方公務員)において、広報紙作成の担当だった平成13年当時は、広報紙に掲載する写真はフィルムカメラを使っていました。
広報紙各回号ごとに約20種類の写真を紙面掲載するので、36枚撮りのフィルム数本分を撮影して、年度契約していたカメラ店に現像を依頼していましたが、その都度、フィルム1本につき数千円の現像・プリント代が必要になりました。
さらに、現像した写真が思っていたものと違う場合は、撮り直しを余儀なくされることもありましたので、今の時代を考えれば、予算的にも時間的にも無駄なことをしていた時代だったと当時を振り返って感じます。
平成13年から2年後の平成15年になって、職場でもコンパクトデジカメを購入して、デジカメで写真を撮影するようになりました。
同時に、以前は、紙の方眼紙に紙面割と写真の枠を糊付けして、課内決裁の後に、編集委員会用の資料としていましたが、デジカメを導入して、同時に、マイクロソフトのパブリシアという段組み作成ができるソフトを使って、パソコン上で原稿のテキストデータと、写真データの貼り付けが可能となったので、資料作成の効率も格段に向上しました。
デジカメの最も良いところは、同一のショットを何枚も撮ることができて、かつその場で撮影したものを確認できるというところにあります。
私自身、ここ数年で撮りためたデジタル写真のデータのバックアップを一気に撮りましたが、数年で10万枚を超える写真を撮影していました。
そして、ここからが本題の「ストックフォト」ですが、そもそも「ストックフォット」ってどういう意味か考えてみることにしましょう。
【4】ストックフォトとは
「ストック」とは、一般的な意味として、「在庫」とか「蓄える」という意味があります。
つまり「ストックフォト」とは「蓄えた写真」という意味になります。
前述したとおり、私のハードディスクには10万枚を超える写真が保存されています。
10万枚って多そうに聞こえますが、5年間ぐらいで、散歩に出掛けたときとか、自宅で愛犬を撮ったりとか…そういう写真が多い感じです。
年に数回、バラ園に出向いたり、お月様を撮るときは、一眼レフやコンデジを持って本格的に撮影しますが、それでも多くて300枚程度を撮るぐらいです。
それが溜まって、10万枚を超えた感じです。
このストックした写真を厳選して、ストックフォトサイトにアップロードして、欲しい人に購入してもらおうというのがストックフォトサイトになります。
デジタル時代ならではの写真の販売・購入の方法になります。
【5】ストックフォトで写真販売ができるサイトは複数あるけどぶっちゃけ稼げるのはどこ?
いきなりの結論からいいますと、ストックフォトですぐに稼げるようにはなりません。
あえて難しいともいいません。
すぐに稼ぐようになることは無理です。
ストックフォトは、販売サイトに掲載する写真の質にもよりますが、何よりも掲載枚数が多くなければ売上が上がりません。
一概に、何枚掲載すれば売上が幾らになるのかは言い切れませんが、トップクリエイターの方々を見てみると、東京都内でフリーでカメラマンをしているUshico(ウシコ)さん(女性)は、2023年8月22日現在、写真約15万7,000枚、イラスト2枚、動画約2万8,000本掲載していらっしゃいます。
Ushicoさんは、PIXTAで第2位のクリエイターです。
次に、xiangtao(シャンタオ)さん。
この方は、2018年ほか、PIXTAの売上ランキング第1位常連の有名なクリエイターです。
当時の年間売上額は、約3,200万円ということですから、すごいの一言に尽きます。
他社さんのインタビュー記事で詳しい内容がコチラ
→ https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/eventreport/1167692.html
xiangtaoさんは本格的なクリエイターということもあり、撮影経費として、年間約700万円も費やされるそうです。
700万円もの経費をいったい何に使ったのか?
xiangtaoさんのような本格的なカメラマンとなると、まず、人物写真の撮影・販売が必須になります。
だからといって、人物写真を本人の承諾無しに撮影することは、プライバシーや肖像権の問題で好き勝手に人物写真を撮影して販売することはできません。
そうなると、専門のモデルさんに依頼する必要がありますし、室内写真の場合は、スタジオを借りる必要があります。
そうなると、モデルさんに支払うモデル費用、スタジオ往復の交通費、食事代等、1回当たりの撮影で数万円は必要になります。ちなみに、撮影スタジオを借りると1時間、約1万円ぐらい掛かります。
その他、照明や椅子などもそれぞれレンタル料が掛かりますので、2万〜3万円は必要でしょう。
モデル費用もまちまちですが、ある事務所では、2時間で、3万円からとなっていますので、交通費、食事代も含めれば、1回の撮影で5万円以上の経費は必要になると思われます。
さすがにここまでやるのは、普通の人にはハードルが高過ぎると思います。
ちなみに、PIXTAの2022年のクリエイター別ランキングが公表されています。
映像だけでいうと、ナンバーワンの「takeuchi masatoさん」が、18万2,423枚、第10位の「まちゃーさん」が、16万8,799枚(いずれも、2023年8月23日11時現在)です。
以下、PIXTAさんより
~切り抜き引用ここまで~
2人の差は、1万3,624枚ですが、この差を大きいとみるか、どうみるかは別として、PIXTAにどれくらいの枚数を登録すれば良いのか、一応の目安にはなると思います。
前述した、2018年のトップクリエイターのxiangtaoさんは、現在、クリエイター名で検索してもヒットしないので、PIXTAを引退されたのかな?
いずれにしても、月に数万円から数十万円稼ごうと思った場合、万単位の写真を掲載・販売する必要があると思われます。
PIXTAの場合は、写真審査を経ての掲載になりますし、最初のうちは、審査に出せる枚数も少ないので、コツコツ地道に、撮った写真を審査に出す形になりますので、そのことを念頭に取り組まないといけないでしょう。
私のように写真を撮ることが好きで、趣味にしている人は、いきなり稼ごうと思うのではなく、自分が撮った写真を作品として、多くの人の目に留まることに、まずは喜びを感じることから始めてみてはどうでしょうか?